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里山の復活 [里山の生活]

先日、植林ボランティア仲間のⅠさんにブルーベリーの話をしました。前の家から株分けして持ってきたブルーベリーの元気がなく、八郷の土地に合った品種や土の作り方、日当たりや水はけの具合などを知りたかったからです。

  「それなら詳しい人がいるからご紹介しますよ」

と言って頂き、今日はカミさん、Ⅰさんと一緒にブルーベリー園に出かけました。

霞ヶ浦沿いの道から少し小高い丘を登ると、緑に包まれた家がありました。中庭に入ると、細身で背の高いTさんが温和な笑顔で迎えてくれました。

  「我が家でここが一番涼しいですから」

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と風通しの良い縁側に案内され、しばらくすると大粒のブルーベリーを持って来てくれました。

  「家で作ったものです。どうぞ」

と言われて口にした実は、実に甘い味でした。

Tさんは

  「収穫が1日でも違うと、甘さは全く違うのですよ」

と、笑顔のまま話を続けてくれました。

ここ玉里(たまり)は切り絵の滝平(たきだいら)二郎さんが生まれ育った町で、彼の画題に多く取り入れられた美しい日本の原風景があった所ですが、農村の疲弊とともに風景も荒廃して行きました。Tさんは5年前から地主の人たちに許可をもらって荒れた里山に手を入れ、無農薬のブルーベリー栽培とともに、美しい風景を再び取り戻そうと活動しています。

Tさんは素人の私たちの質問にひとつひとつ丁寧に答え

  「一番大切なのは土です。この手間を惜しんではいけません。実際に植えている所をご覧になりますか」

と、果樹園に案内してくれました。

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丘の上のなだらかな傾斜地に、様々な種類のブルーベリーが植えられ

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挿木から5年ほど経ったハイブッシュが、熟した大きな実をつけていました。

  「以前は牧草地だったんですよ」

というTさんに

  「それなら土が肥えて、肥料が要らないでしょう」

と言うと

  「土は何千年という歴史を経てできたものです。高々2、30年の使い方でそう大きく性質が変わるものではないのですよ」

と教えてくれました。

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道端のブラックベリーが実をつけた小道を辿りながら丘の一番上まで登ると、

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色とりどりの花が咲くナチュラルガーデンがあり、

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テラスからは、霞ケ浦の向こうに筑波山の美しい稜線が見えました。

  「この風景を子供たちの代に残したいのです。現実はほとんど土にまみれた仕事ですけれど」

一人で農園を世話し、里山の復興を目指して努力しているTさんは、温厚で淡々とした外見からは想像できない強い信念を持っているのだと感じました。

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コメント 2

springnana

いいところですね
ブルーベリーは気候を選ぶみたいですね
うちの庭のは、だんだんやせ細ってしまい、今年はチャドクガにやられました
by springnana (2010-07-17 12:03) 

ヒデさん

ブルーベリー残念ですね。病虫害には割合強いとのことですが、種類がたくさんあって、気候や土壌に合わせて選ぶと、しっかり実を付けるそうです。果樹にはこれから少し真面目に取り組んでみようと思っています。
by ヒデさん (2010-07-17 15:31) 

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