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新進気鋭のギタリストたち [音楽]

昨日、今日と東京国際ギターコンクールの二次予選と本選を聴講して来ました。

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会場の日経ホールに向かう途中、休日の皇居周辺は車もなく、多くの人たちが散歩やジョギング、サイクリングなどを楽しんでいました。

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さて、コンクールの方ですが、14人の二次予選通過者の中から本選に残ったのは得点順に

藤元高輝
Andrey Parfinovich (Russia) 
Florian Rarousse (France) 
Andres Campanario (Spain)
Oegmundur Thor Johannesson (Iceland)
小暮浩史

さんの6人でした。

本選の演奏時間は必須課題曲のエキノクス(武満徹)を含めて一人30~40分、ルネサンス、バロック、古典、現代まで、各自非常に難度の高い楽曲が演奏されました。

私の感想(演奏順)

Andrey Parfinovich さん
若干ゆっくり目のテンポと重厚な音で奏でるオーソドックスなスタイルの演奏。現代曲ではもう少し奔放さが出た方が楽しめるかと思いました。

小暮浩史さん
旋律が非常に良く歌われて聴く人を魅了します。ただ、この強みを生かそうとした(?)ことが、逆に楽曲の解釈を狭めたかもしれません。

Johannesson さん
チェンバロの様な音色で奏でられるルネサンス、バロックの演奏は、静謐に染み入るようで独特の世界観を持っています。ただ古典や現代曲を弾いてもどうしてもこのイメージから抜け切れない感じがします。

Florian Rarousse さん
暖かく透明な音色と、どんなに早いパッセージでも音の混じることが無い流れるようなテクニックに基づいた深い音楽的表現は素晴らしく、聴く人を惹き込む力を持っています。第1曲目途中で演奏が止まり、頭から弾きなおしたのが惜しまれます。

藤元高輝さん
高難度の曲を弾きこなすテクニックに裏付けられ、バッハ、レゴンディ、ヘンツェのそれぞれの楽曲の特徴を幅広く表現しました。演奏者の人となりでしょうか、個性が色濃く出ることはありませんが、このことが却って幅広い楽曲の個性を楽しめる妙味につながると感じました。

Andres Campanario さん
二次予選のバリオスが素晴らしく、本選のバッハやスカルラッティをどのように聞かせてくれるか楽しみでしたが本選に現れず残念です。

Rarousse さんと藤元さんの二人が素晴らしく、どちらが1位か興味があるところでしたが、審査の結果は藤元さんが1位、Rarousseさんが2位でした。ともすると曲の選択が得意な楽風の曲に偏りがちな出場者の中で、バロックからロマン、現代作家の作品の特徴を的確にとらえ、しっかりと弾き切ったことが優勝の一因かと思いました。

3、4,5位は小暮さん、Parfinovichさん、Johaneessonさんでした。

優勝トロフィーを受け取る時に、感極まって目に涙をためていた藤元さんですが、促された挨拶ではしっかりとした口調で、「反省すべき点も見つかったので、これからも精進を続けたい」と語ったのを聞いて、将来が楽しみだと感じました。

コンクールは二日間、延べ約12時間にわたる長丁場でしたが、既にプロとして演奏活動をしている人も含めて高い技量を持った演奏家たちが、研究と研鑽を重ねた楽曲をベストを尽くして弾くので、普段のコンサートとは違った緊張感の中で素晴らしい時間を過ごしました。

普段の演奏会ではなかなか聴くことのできないような曲も多々あるので機会があれば皆さんも是非足を運んでみられると良いと思います。
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コメント 2

springnana

ヒデさんの耳の方がすごいです。。。
私の歌は聞かせられません。。。
by springnana (2011-11-21 17:07) 

ヒデさん

springnanaさん

コンクールは様々な楽曲を異なった演奏スタイルで聴くことができるので大変勉強になりました。息を飲む緊張感もひとつの形ですが、私にとって音楽は "spice of life" なので、ジャンルにこだわらず様々な形で楽しみたいと思っています。
by ヒデさん (2011-11-21 18:21) 

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